300余年の伝統をもつ古川祭は、“動と静”を表す祭りともいわれています。
 その“動”は、裸と裸の男がぶつかり合い、
 春をまちわびたエネルギーが一気に噴き出す勇敢な裸祭り「起し太鼓」。
 もうひとつの主役である“静”は、動く陽明門と呼ばれる絢爛豪華な「屋台曳行」です。
 10台の「屋台」は古川祭の間、町内を曳行し、からくり人形や子供歌舞伎が演じられます。
 飛騨古川まつり会館は、この様な生きている祭文化をベースに構成されています。
 
 館内では古川祭で実際に使われている屋台や、貴重な道具を展示するだけでなく、
 からくり人形を操作したり、曲芸「とんぼ」に挑戦したりできるコーナーも設置。
 さらに古川独自のおもてなし「呼び引き」などを知る事で、
 古川祭と古川の町が作り上げた文化を体験できます。

【上階(前半)】
 ❶ エントランスゲート
 ❷ ユネスコ無形文化遺産登録書
   国指定重要無形民俗文化財登録書
   岐阜県指定重要有形民俗文化財登録書
 ❸ 古川祭の時系列
 ❹ 古川祭歴史年表
 
 【上階(後半)】
 ⓯ 御神輿行列
 ⓰ 御神輿蔵
 ⓱ 古川祭の衣装
 ⓲ 見送り

【下階】
 ❺ 4Kシアター
 ❻ 古川祭の屋台
 ❼ 屋台実物展示-I
 ❽ 奉納と道具
 ❾ 屋台実物展示-II
 ❿ 平成の屋台
 ⓫ 当番会所
 ⓬ 呼び引き
 ⓭ 屋台実物展示-III
 ⓮ 起し太鼓

4Kシアターホールでは、毎時20分おきに古川祭を上映しています。ハイビジョンの4倍という高精細な映像を大型スクリーンでお楽しみいただけます。勇敢な起し太鼓の「動」の世界と、華麗な屋台曳行の「静」の世界が融合した古川祭を、臨場感あふれる映像とサウンドで体験してください。

館内には、飛騨の匠の技と粋を結集した絢爛豪華な古川祭の10台の屋台のうち3台(定期的に入れ替え・古川祭期間を除く)を常時展示しています。普段では決してみられない屋台上部の構造や細部にわたる伝統工芸の飾り・彫り物などがご覧いただけます。

獅子舞や闘鶏楽、子供歌舞伎など、古川祭で奉納芸を行うために使われる道具から、古川大火の際に焼失を免れた貴重な女三番叟のからくり人形まで、4つの資料を展示しています。また、実際に動かせる2台のからくり人形もご用意しています。

町内で御神霊を招来し奉祀する拠点、また台組関係の例祭や運営、経理等について協議し執行の任にあたる事務所である「当番会所」を再現しています。祭壇の前に並べられた、氏子からの沢山の献酒は圧巻です。なお、古川祭両日だけで約1万本の酒が奉納されるといわれています。

親戚や知人を自宅に招いて「ごっつぉ」(ご馳走)やお酒を振る舞うおもてなし「呼び引き」は、古川祭が生み出した地域に根差す文化です。祭りの日に出される飛騨の伝統的な料理を再現し展示しています。

数百人のさらしを巻いた裸の男たちが直径80cmの大太鼓をのせた櫓を担ぎ、古川の町を巡行する「起し太鼓」のレプリカを展示。また高さ約3.5mの「付け太鼓」棒の上で行われる曲芸「とんぼ」を、実際に体験できる低い付け太鼓もご用意しています。

数百メートルにも及ぶ大行列をなして町を練り歩く御神輿行列の様子をミニチュアで展示。御神輿に御神霊を乗せ、獅子、闘鶏楽、舞姫、雅楽など多数の氏子を伴い、町を華やかに巡行する祭りの日の様子を再現しています。

祭礼のとき、御神霊を安置して運ぶ実物の御神輿を展示。大工棟梁原与三郎によって1872(明治5)年に新造されました。黒塗の屋根の各面に輝く金色の神紋や、頂上で四方に光る大きな宝珠(ほうじゅ)など精巧な匠の技を間近でご覧ください。

屋台の背後に下げる意匠をこらした絵や書。うしろ姿を“見送る”という意味があり、19日、20日と掛け替える屋台もあります。前田青邨(麒麟台)、堂本印象(青龍台)、垣内雲嶙(龍笛台)など、日本を代表する一流の画家の見事な絵が描かれた見送りがご覧いただけます。
毎年、春と秋の2回、飛騨古川まつり会館に展示する実物の屋台の入れ替えを行います。
 通常は、古川祭の時にしか外に曳き出さない祭屋台を見ることができます。 
 詳細に関しては、飛騨市商工観光部観光課 (0577-73-2111<代表>)へお問合せください。